機械的性質
材料の強度を示す情報
材料力学・材料強度学などにおいて、材料がその種類の違いにより引張り・圧縮・曲げなど、外部からの力に対してどれぐらいの耐久性を持つかなどの様々な性質のことを言います。材料加工のしやすさ、加工された工業製品の耐久性などは、この情報を元に出されるためとても重要なものです。
引張り性質とは、どのぐらいの力でその材質が変形を起こす、またどのぐらいの力で破断してしまうかを表しています。この中でも、引張り強さ・耐力・伸びがあります。引張強さとは、引張る力の限界のことです。これ以上の力を加えると、その材質は変形したり、切れてしまったりします。その逆で耐力とは、耐えうる力です。この耐力以下の力であれば、いくら引張っても変形は残りません。そのため加工する時には、耐力以上、引張り強さ以下の力で行わなければなりません。そして出来上がった製品を使用する時にも、耐力以下で使わなければ破損してしまいます。
圧縮強度とは、荷重をかけ材料が破壊された時の力を表しています。多くの材質は、引張り強度より圧縮強度の方が大きい傾向にありますが、圧縮によって破壊される材料は圧縮強度が重要になってきます。例えば、フェノール樹脂やエポキシガラスなどの熱硬化性プラスチックがそうです。コンクリートブロックをイメージすれば分かり易いと思いますが、荷重をかけていくと大きく変形する前に砕けてしまいます。
曲げ強度とは、曲げる力に対して亀裂や破損が起こる力を表しています。曲げ応力という言葉がありますが、ここでの応力とは引張りや圧縮の時のように単なる外力の大きさだけを表すことはできず、引張りと圧縮の力が同時にかかるなど一つの外力に対して様々な力が関係してきます。そのため、曲げ強度と曲げ応力は別物として考えましょう。
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