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荷重たわみ温度

物性

プラスチックの耐熱性を調べる試験

荷重たわみ温度とは、樹脂・プラスチックに荷重をかけた状態で温度を上げていき、たわみが一定以上になる温度のことです。熱変形温度とも言い、耐熱性指標・材料の高温時剛性(弾性率)の指標です。これにより、樹脂・プラスチックの耐熱性を比較することが出来ます。

樹脂・プラスチックは軽さや透明性、加工性の良さなどが評価されていますが、樹脂・プラスチックの欠点は耐熱性と温度負荷をかけた際に強度が弱くなるという点でした。汎用のプラスチックは、温度が一つのネックとなり、高温環境下での使用は難しいですが、一部ではコストダウンや軽量化のために、金属からプラスチックに切り替わる部材も出てきています。
樹脂・プラスチックの中にも100℃以上、スーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる400~500℃もの高温に耐える材質も開発されています。熱に強い樹脂・プラスチックが開発されたことによって、従来金属での部品を使用せざるを得なかった所にも樹脂・プラスチックでの代替が選択肢に入るようになりました。いろいろな添加材料によって強化ができるのも樹脂・プラスチックの大きな特徴の一つです。

試験方法は3点曲げ法であり、熱変形温度は一定の荷重(低荷重0.45MPa、高荷重1.80MPa)を負荷した状態で、徐々に温度を上げていき、(120℃/h)し、基準の変位量に達する温度を出します。そして曲げ歪みの増加分が0.2%になったときの温度が荷重たわみ温度です。この数値はそれ自体が意味を持つというものではありません。材料同士の比較をするのに使われます。比較をしてこの数値が大きいほうが熱負荷に強いということになります。

また、荷重たわみ温度とともにプラスチックの短期的な耐熱性を表すのが、ビカット軟化温度(VST)です。これは、選択した試験方法(A50法・B50法・A120法・B120法)において、押し込み圧子が試験片に1mm侵入する時の温度を測ります。この4種は、それぞれ荷重と昇温速度が決められており、一般的によく使われるのはB50法(荷重50N・昇温速度50℃/h)です。

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