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耐クリープ性

物性

歪みに耐える性質

クリープとは、プラスチックに一定の荷重を継続的にかけると、時間とともに変形が進んでいく現象をいいます。身の回りの製品でもよく起こるもので、例えばプラスチック製の衣装ケースの上に荷物を置いていたり、突っ張り棒にハンガーを掛けていたら真ん中だけ凹むように変形してしまいます。また、機械の場合、ボルトなどで締める部品は、クリープの発生によりボルトが緩みます。それが原因で、きちんと機械が満足いくように動かなかったり、最悪の場合は破損にも繋がってしまいます。特に高温下で使用する部品の場合、クリープが発生しないかの検証が事前に必要です。

クリープは、耐クリープ特性が高いほど起こりにくいです。プラスチックでは、熱可塑性樹脂よりベークライトやエポキシガラス等の熱硬化性樹脂の方が耐クリープ特性があります。また熱可塑性樹脂の中では、耐クリープ特性がある方から、PEEK・PPS・POM・PET・PP・PE・PTFEという順になります。

クリープには大きく分けて3種類あります。一つ目は回帰。これは荷重を開放すると材質によっては形状変化がある程度元に戻るもので、マシュマロのようなものです。指で押さえると変形しますが、指を離すと元に戻ります。二つ目は永久変形。元の形状には戻らないもので、粘土のようなものです。指で形を作ると、体積は変わりませんがその部分だけ形状が変わり、力を開放しても元に戻りません。最後は破壊。クリープが進むと破壊されるもので、豆腐のようなものです。力を加え続けると、すぐには壊れずに形状だけが変わりますが、最終的には破損してしまいます。

クリープの発生は材質、環境温度、負荷荷重、時間の組み合わせによって大きく変わります。特に同じ条件下(材質・負荷荷重・時間が同じ)であれば、環境温度に依存するところが大きく、温度が高くなればなるほどクリープは発生しやすくなります。これはプラスチック・金属どちらにも言えますが、ざっくり分けると硬いものは発生しにくく、柔らかいものは発生しやすいようです。


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