MCナイロンへの材質変更で面粗度の向上
使用材質 MCナイロンの切削加工事例
紙ベークライトで製作していた糸巻きに使用する部品に関する事例です。この部品の面粗度が悪く、巻いた糸にベークライトの粉が付着してしまうため、改良した部品を製作したいとの相談でした。
ベークライトは板・丸棒の材料の状態では、表面が滑らかな積層となっています。当初の部品はこの積層を厚みの調整のため剥ぎ取るように加工しており、面粗度が悪化し、このような不具合が出ていたと考えられます。
また、面粗度の問題と同時に、糸との摩擦で部品の加工面が少しずつ削られる点も問題でした。加工方法を工夫することで、ベークライトを使いながらもこの問題を解決する方法もありますが、加工費が高くなるため、ここでは単純な材質変更での解決を検討することにしました。
今回の部品の使用環境や条件をヒアリングした結果、耐熱温度は大体100℃を超えていれば十分で、引張強度と摺動性が高い素材であることが条件でした。ベークライトであった理由としてはこれらの条件を満たしながら安価であるということでしたが、同様の問題で再度作り直しになる費用増を避けるために、MCナイロンでの製作を提案させて頂きました。
MCナイロンでの製作では面粗度の問題は解決し、切り粉などの付着問題は発生しなくなりました。
今回の提案事例内のプラスチック材質紹介
MCナイロンは強度と摺動性に優れたエンジニアリングプラスチックです。耐熱温度も高く、バランスの優れた物性でありながら比較的安価なため、コスト重視の部品製作の際には、まず候補に挙がる材質です。
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今回は部品の切削面の面粗度と摺動性の2つが課題でした。
予算内で製作するために、工数が増加する加工方法変更ではなく、材質変更での解決を提案しました。同じ寸法では紙ベークライトよりもMCナイロンの方が高価ではありますが、プラスチック素材全体では比較的安価な部類で、かつ総合的に見て使いやすい汎用材です。
MCナイロンは引張強度・摺動性に優れたエンジニアリングプラスチックで、金属部品からの代替としてギアやローラーに利用されることがあります。また、MCナイロンは基本グレードの他に摺動グレード・耐熱グレード・耐候グレードなどもあるので、使用環境によって選定できる幅も広いプラスチック素材です。