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プラスチックの強度 圧縮強度・引張強度・曲げ強度・衝撃強さ

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プラスチックの強度は、部品加工において重要な項目です。強度には圧縮強度引張強度曲げ強度衝撃強さなど、多岐にわたります。これらは何の力に対してどの程度強いかを表しています。部品の用途によってどの項目が重要かは異なります。この記事ではプラスチックの強度の種類について解説します。

圧縮強度、引張強度、曲げ強度、衝撃強さは、強度試験により測定されます。強度の測定数値は変形あるいは破壊が生じた時点での数値です。そのため、実際の使用環境はそれ以下の負荷であるように考えるのが一般的です。強度試験の測定結果の単位にはMPa(メガパスカル)やkgf/㎠が使用されます。

圧縮強度

圧縮強度は材料に一定方向からの圧力(圧縮荷重)を加えたときに、破壊されるまでに耐える力を表します。ベークライトやエポキシガラスなどの熱硬化性樹脂は力を加え続けると砕け散ります。これに対してPTFEなどの熱可塑性樹脂は破壊されず変形が始まります。

このような破壊されない材質の圧縮強度には、変形が始まる点(降伏点)や一定の変化が起こる点が使われます。これは各素材メーカーによって扱いが異なることがあります。

引張強度

引張強度は材料を一定方向に引っ張った時の伸びと応力、または破壊される力を表します。プラスチックもゴムと同様に、力を加えると伸びようとする力が生じます。これと同時に材料内部に元に戻ろうとする力も生じ、これを応力と言います。

元に戻ろうとする力には限界があり、それを超えると変形や破損が起こります。この時点の力を引張強度として表しています。

曲げ強度

曲げ強度は曲げる力に対して、亀裂の発生、あるいは破壊される時点の力を表したものです。引張強度と同様に、任意の方向に曲げようとすると、元に戻ろうとする応力が発生します。曲げ強度に優れたプラスチック材質にはポリカーボネートや塩ビが挙げられます。

プラスチック加工品(ポリカーボネート)

衝撃強さ

衝撃強さは材料に衝撃体を高速で衝突させて、破壊した時点での力を表したものです。耐衝撃性や靭性の指標として使われます。代表的な衝撃試験はアイゾット衝撃試験とシャルピー衝撃試験です。

アイゾット衝撃試験
試験に用いられる切り欠きを作った試験片の片側のみを固定します。その反対側よりハンマーで衝撃を与えて破壊されるときの衝撃を数値化する試験です。

試験片寸法JIS K 7111ASTM D256
長さ(mm)80 ± 263.5 ± 2
幅(mm)4.0 ± 0.23.0~12.7
厚さ(mm)10.0 ± 0.212.70 ± 0.20
残り幅(mm)8.0 ± 0.210.16 ± 0.05

シャルピー衝撃試験
試験に用いられる切り欠きを作った試験片の両端を支えた状態にします。その背面からハンマーで衝撃を与えて破壊された時の衝撃を数値化する試験です。

試験片寸法JIS K 7111ASTM D6110
長さ(mm)80 ± 2127 ± 2
幅(mm)4.0 ± 0.23.0~12.7
厚さ(mm)10.0 ± 0.212.70 ± 0.20
残り幅(mm)8.0 ± 0.210.20 ± 0.05

これらの衝撃試験で比較的高い数値のプラスチック材質には、ポリカーボネートやABSが挙げられます。熱硬化性樹脂であるエポキシガラスやベークライトはこの試験データでは衝撃に弱い測定結果となっています。

まとめ

プラスチックの強度は加わる力によって様々な面から評価することができます。代表的なもので圧縮強度、引張強度、曲げ強度、衝撃強さの強度指標があります。それぞれ変形や破損が起こる点での数字なので、使用環境でそれ以上の負荷がかからないことを確認しましょう。また、強度試験結果は試験片固有の値なので、実際の部品の強度を保証していないことに注意が必要です。

材質選定の際にはどのような力が加わるか考慮すると予想外の破損を防ぐことができます。プラスチック加工の依頼先には、使用場面を詳細に説明することで、最適な材質を提案してもらえる可能性が高くなります。材質選定でお困りの際は、当社までお問い合わせください。

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