ディッピング
液状のゴムや樹脂の中に、金属製品などのワークをどぶ付けするコーティングの一つです。
金属製品を樹脂でコーティングすることで、金属にはない樹脂の特性を新たに付与することができます。付与される特性は、コーティングに使われる材質によってさまざまですが、水分の多い環境では撥水性、防水性を付与したり、電気が使われる環境では絶縁性を付与され、装飾性を付与するためにコーティングをすることもあります。
主に使用される材質は塩ビです。耐薬品性に優れているため、防食に高い効果があります。電気絶縁性に優れているため、コネクタのカバーや、プラグのキャップなど、電気に関わる商品の手に触れる部分によく使用されています。クッション性が優れているため、公園の遊具や、工具の持ち手の部分などによく使用されています。よく見かけるペンチの持ち手、あの部分がディッピングです。
メリットは、どぶ付け加工のため複雑な凹凸のある形状も製作が可能な点です。デメリットは、金属製品を漬けた場合に、空気が溜まるエアポケットが発生する部分があるため、薬液と接触しないためその部分のみ処理ができず、気泡が発生することです。さらには、金属製品を沈められるだけの薬液が必要なため、スプレー処理より薬液量が必要になるといった点が挙げられます。
【ゴムライニング】
似たコーティングにゴムライニングがあります。こちらも金属をゴムで保護することで、耐食性と耐磨耗性を向上させるために使用されています。ゴムライニングとディッピングの違いは、ディッピングは母材の金属を樹脂の液体につけて硬化させてコーティングをしますが、ゴムライニングは液体ではなく、ゴムシートを母材に接着させてコーティングをするという違いがあります。
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